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学術発表関連

2017/11/20学術発表関連

バチカンで予防医学の重要性について講演

⼤⾥研究所理事⻑の林 幸泰がバチカンで11⽉16⽇〜18⽇に開催された世界的健康格差に関する国際会議にて「Education in Health and Healthy Alimentation for the Prevention of Neurodeg enerative and Non-communicable Diseases(神経変性疾患及び⾮感染性疾患の予防に向けた健康および栄養教育)」をテーマに講演し、予防医学の重要性を訴えました。

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バチカンでの林による講演

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2015年に続き夫妻でのバチカン訪問となった


今年で32回⽬を迎える『INTERNATIONAL CONFERENCE Addressing Global Health Inequalities(世界的健康格差に関する国際会議)』は、バチカンのシノドホールで開催され、バチカンからの招待を受けた林は11⽉17⽇に演説し、世界中から集まった約500名の出席者を前に、⽇本の抱える⾼齢化社会における医療費削減の問題に触れ、解決⼿段について提⾔しました。

林は、2015年にもバチカンから夫婦で招待を受け、世界病者の⽇のミサに出席しローマ教皇フランシスコに謁⾒しており、その際にも予防医学の重要性について直接ローマ教皇と話をしています。
講演で林が強調したのは (1)「教育による病気の予防」、(2)「発酵⾷品による病気の予防」、(3)「⾼齢者のQOL改善のための活動(農業)」であり、地元の⾼齢者のための社交の場作りの⼀環として⾃⾝が取り組むワイン作りのプロジェクトについても触れました。

林が20年以上研究に関わり続けているFPPを使った臨床研究の結果も紹介しました。その中で最近特に⼒を入れているのが認知症の予防であり、⽼化の原因のひとつである代謝機能の低下を防ぐため、脳へのエネルギー供給が重要であると話しました。認知症は、患者本⼈だけでなく介護する家族にとっても負担が⼤きい上、医療費⾼騰による国家予算の圧迫が懸念されます。林は、研究結果を⽣かし認知症予防に役⽴てることで⾼齢化社会における医療費削減に繋げたいと語りました。

また共同演者であるオハイオ州⽴⼤学のSashwati Roy教授が、Ⅱ型糖尿病(T2DM)患者で行われた研究でFPPが免疫応答を改善するだけでなく、興味深いことにミトコンドリアのエネルギーを促進することを示したことを発表しました。FPPがミトコンドリアのエネルギーを改善し、ATPの形で細胞エネルギーを増加させる性質を有するかもしれないというデータを提示し、FPPのこれらの特性は、健康な老化および認知機能の改善など、T2DMをはるかに超える意味を有する可能性があることを語りました。

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講演の様子

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林夫妻と共同演者のSashwati Roy教授と
学会会場外にて