研究論文

品質管理された発酵栄養補助食品の皮膚老化マーカーへの効果:
抗酸化物質を比較対照(コントロール)とした二重盲検試験

FILE2016

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Effect of a quality-controlled fermented nutraceutical on skin aging markers:
An antioxidant-control, double-blind study

EXPERIMENTAL AND THERAPEUTIC MEDICINE. 11(3):909-916, 2016

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本研究の目的は、パパイヤ発酵食品(FPPを与えたグループ)および抗酸化物質混合物(トランスレスベラトロール10mg、セレニウム60μg、ビタミンE 10mg、ビタミンC 50mg)を与えたグループが、皮膚の抗老化作用を促進し、皮膚の抗酸化能及び主要な皮膚の遺伝子発現を改善できるかどうかを検証することである。

皮膚に老化の兆候を示す健康で喫煙をしない40-65歳の男女60名の被験者をランダムに2つの対応群に分け、それぞれのグループは、FPP、もしくは抗酸化物質混合物を1日に4.5gを2回(合計9.0g)90日間二重盲検法にて舌下で摂取した。

パラメーターとして、顔の皮膚表面のしみ・むら・水分量・弾力性・レドックスバランス・NO濃度、及び前腕外側サンプルの主要な遺伝子の発現レベルを調べた。

ベースライン(0日)、抗酸化物質混合物を摂取したコントロール群の数値と比較して、FPP摂取群は、皮膚の水分量(図1)、弾力性(図2)、むら(図3)で有意な改善を示した。どちらのグループもMDAとSODの皮膚濃度が改善されたが、FPP摂取群でのみ、より高いSOD値、有意なNOの増加、アクアポリン-3(図4左)の有意な上方修正、老化促進/発がん性の可能性がある遺伝子 シクロフィリンA(図4右)とCD147(図5左)の下方修正が示された。プロゲリン(図5右)には、どちらも影響を与えなかった。

結論として、FPPの経口摂取では、他の組織で試験した以前の臨床試験でも示されているように、皮膚においても一貫した生物学的改善および遺伝子制御の改善が示された一方で、一般的な抗酸化物質の経口摂取は軽微な影響しか与えなかったことが、これらの結果により示唆された。

【FPPの皮膚老化マーカーへの影響】

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2016_skin_ExpTherMed_1.gif図1.皮膚の水分量
*P<0.05 vs. ベースライン値 §P<0.05 vs.コントロール群

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図2.皮膚の弾力性のパラメータ-R6 (Uv/Ue).
* P<0.01 vs. ベースライン値 § P<0.05 vs.コントロール群

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図3.肌のむら(VASスコアにより測定)
* P<0.05 vs. ベースライン値 § P<0.05 vs.コントロール群

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図4.皮膚の遺伝子発現:アクアポリン-3(AQP-3)、シクロフィリンA(CyPA)
* P<0.05 vs. ベースライン値 § P<0.05 vs.コントロール群

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図5.皮膚の遺伝子発現:CD147、プロゲリン
* P<0.05 vs. ベースライン値 § P<0.05 vs.コントロール群

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