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基礎研究

【基礎研究】FILE : 2006

酸化的損傷、MAPキナーゼ誘導と細胞毒性を有するベンゾ[a]ピレンの変性に対するパパイヤ発酵食品の分子的影響

Okezie I Aruoma, Renato Colognato, Ilaria Fontana, Joanne Gartlon, Lucia Migliore, Keiko Koike, Sandra Coecke, Evelyn Lamy, Volker Mersch-Sundermann, Inncoronata Laurenza, Luca Benzi, Fumihiko Yoshino, Kyo Kobayashi, Masaichi-Chang-il Lee

加齢、癌、循環器疾患、神経変性疾患を含むいくつかの生物学的・病理学的プロセスに、酸化ストレスおよびニトロサティブストレスのメカニズムが関わっているということは、そのプロセスがフリーラジカル・スカベンチャーや抗酸化物質による治療により緩和される可能性があるのではないかという説の有効性を強めてきた。カリカパパイヤを原料とするパパイヤ発酵食品(FPP)の、H22による酸化ダメージ調整機能を、ラットの褐色細胞腫(PC12)細胞を用いて調査した。

22 でインキュベーションを行う前にFPP(50μg/ml)で前処理した細胞は、生存率および形態、形状の維持が有意に増加した。H22 (50μM)処理をしたヒトヘパトーマ細胞(HepG2)のオリーブ・テイル・モーメント(コメットアッセイによるコメットの尾の動き)は、コントロール溶液1.37±0.29に対して10.56±1.44を示した。
FPP濃度10μg/ml以上でDNAダメージの有意な減少(p≦0.05)が認められ、50μg/mlのFPP濃度では、H22 のみで処理した細胞と比較して約1.5倍、H2O2による遺伝毒性が減少した。同様に50μg/ml以上のFPP濃度においては、ベンゾ[a]ピレンだけで処理した細胞に対してFPP+ベンゾ[a]ピレン処理細胞ではコメットアッセイにおけるDNA移動が減少し、FPP濃度100μg/mlではDNAダメージを2倍減少させた。
また、ウエスタンブロット法により、FPPがERK1/2、Aktおよびp38のリン酸化状態を抑制する可能性を分析した。その結果FPPは、ERK、Aktおよびp38の活性を調整する可能性を示し、特に250μMH22 で誘導した場合のp38のリン酸化の減少は顕著であった。

これらの結果は、FPPが酸化損傷を調整できることを示唆しており、FPPは神経変性疾患の予防の手助けとなる可能性をもっている。



BioFactors 26 (2006)147-159掲載
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