【臨床研究】臨床研究
β‐サラセミア患者及びマウスの血液細胞に対するレドックス制御物質としてのパパイヤ発酵食品
Johnny Amer(1), Ada Goldfarb(1), Eliezer A. Rachmilewitz(2) and Eitan Fibach(1)
βタラセミアや鎌形赤血球貧血といった異常βヘモグロビン症における多くの病理学的な症状は、酸化ストレスにより引き起こされる。我々は、2'-7'-ジクロロフルオレセイン・ジアセテート(DCF)を検出試薬としたセルフリーシステムを用いた分光フローサイトメトリーで、パパイヤ発酵食品(FPP)のスカベンチャー作用を測定することにより、その抗酸化作用を試験した。
自然発生酸化反応とH2O2誘導DCFの酸化反応は、どちらもFPPによって濃度依存的に減少した。
我々は、in vitroでのβタラセミア患者の血液細胞への試験において、FPPが赤血球(RBC)、血小板(PLT)、多形核白血球(PMN)のグルタチオンの濃度を上昇させ、それらの活性酸素種、膜脂質過酸化、フォスファチジルセリンの表出を抑制することをフローサイトメトリーによって示した。これらの作用は、(a)溶血やマクロファージによる食作用に対するタラセミア赤血球の感度を抑制し、(b)細胞内の溶菌のメカニズムである酸化的破壊を起こすPMNの能力を高め、(c)フォスファチジルセリンが表出した血小板が少なくなることに反映され、血小板の凝集傾向の抑制に帰結する。
タラセミアマウス(50mg/経口/日、3ヶ月)と、患者(3g×3回/日、3ヶ月)に対するFPPの経口投与では、前述の全てのパラメーターにおいて酸化ストレスの減少が認められた(マウスp<0.001、患者p<0.005)。
これらの結果は、抗酸化物の働きを持つFPPが、重症のタラセミアにおいて酸化ストレスによって引き起こされる症状を緩和する可能性を示唆している。

タラセミア患者におけるFPPの影響
9人のβタラセミア患者に3g×3回/1日のFPPを3ヶ月間摂取させ試験した。血液サンプルを採取し、赤血球(RBC)、血小板(PLT)、多形核白血球(PMN)について活性酸素種(ROS)とグルタチオン(GSH)の分析を行った。結果は、全ての患者の試験前と3ヵ月後のフローサイトメトリーの平均チャンネル値±標準偏差で示し、活性酸素種(ROS)の減少とグルタチオン(GSH)の上昇において有意差が示された(p< 0.005)。
(1)Departments of Hematology, Hadassah - Hebrew University Medical Center, Jerusalem,
(2)The E. Wolfson Medical Center, Holon, Israel
PHYTOTHERAPY RESEARCH Phytother. Res. 22, 820・28 (2008)掲載
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