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大里研究所 歴史的な出会い Curie museum

夏も終わり、パリの秋の陽射しがそそぎ始めた9月13日、キュリー博物館のリノベーションのオープニングセレモニーが行われた。場所はパリ・カルチェラタン5区にあるキュリー研究所(パリ第6大学で病院が併設され放射線によるガン治療の研究がなされている。) 敷地内にはキュリー夫人の実験室が当時のまま保存されており、キュリー博物館として一般公開されている。キュリー夫人は放射能研究のパイオニアで、ラジウム・ポロニウムの発見をし、今日の放射線治療の基礎を作った。
1903年ノーベル物理学賞、1922年ノーベル化学賞を受賞。パリ大学初の女性教授となり100年以上前に女性科学者の門戸を開いた。母親としても素晴らしいキュリー夫人は、ピエールと結婚し長女イレーヌ、次女エーヴに恵まれ、家事・裁縫・料理をこなした。長女の出産・育児を義父に助けてもらい研究も続けた姿は、現代でも理想な女性である。
長女イレーヌは夫婦でキュリー夫人の研究を支え、1935年人工放射性元素の発見で夫とともにノーベル化学賞を受賞し、キュリー家で5個目のノーベル賞となった。

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次女エーヴは、物理学・科学ではなくピアノを学び、キュリー夫人を生活面で助け晩年を看取った。1965年夫がユニセフ事務局長時代、ユニセフがノーベル平和賞を受賞し、世界で一番ノーベル賞と縁が深い一生であった。
今回のリノベーションは、エーヴが2007年10月22日New Yorkで102歳の生涯を閉じた時の遺言と遺産によるものです。晩年、キュリー一家の女性で独り長生きしたのは、放射能に関わる人生から逃げた罰と感じ、その思いがあって両親・姉夫婦の功績を多くの人々に見てもらうためキュリー博物館のリノベーションを託したのでしょう。

大里研究所 林理事長夫妻は、2006年からキュリー夫人と娘ふたりのアメリカ訪問(1921年)の歴史的資料の保存に力を注ぎ、今パリにあるキュリー博物館にその資料が展示されています。 また、2012年9月13日に行われたキュリー博物館のリノベーションの式典にあわせ、博物館中央に大型スクリーンを贈呈しました。キュリー夫妻、娘イレーヌ夫妻の出迎える写真のもと、家族で5個のノーベル賞を受賞した業績をiPad方式で写真、資料を見ることができます。
式典にはキュリー研究所所長Claude Huriet教授をはじめ、キュリー夫人の孫エレーヌ(女性核物理学者)、ピエール(生物物理学)も出席し、林夫妻に大変感謝されました。

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キュリー夫妻、娘のイレーヌ夫妻がディスプレーの前でお出迎え


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キュリー夫人の孫エレーヌ(女性核物理学者)ピエール(生物物理学者)と林夫妻


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ピエール・キュリーの家族と共に記念撮影
科学の歴史と人の出会いの不思議さを感じます


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キュリー研究所所長 Prof. Claude HURIET とHelene さん
皆さん新しいCurie museumにうれしそうです。


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キュリー夫人が自分の研究室の前で実際に写真を撮った場所での瞬間
科学は人の為にあるとメッセージを頂いた気がします。



キュリー夫人の孫イレーヌと
キュリー研究所 所長とのテープカット
キュリー夫人 孫イレーヌと所長
無事テープカットが終わった
キュリー夫人 孫イレーヌ うれしそうなキュリー夫人 孫イレーヌ
キュリー研究所らしいアペリティフ キュリー研究所らしいアペリティフ
キュリー博物館はキュリー夫人が所長を
つとめていた元ラジウム研究所にある
キュリー研究所リサーチディレクター
Prof. Louvard
キュリー博物館の入口
設計士の先生と キュリー夫人、娘たちのアメリカ訪問の貴重な資料
キュリー夫人が使っていたデスク キュリー夫人


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地図はこちら


キュリー博物館の詳細はこちらをクリックしてください。

  • 2012.10.11
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