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研究論文・研究成果

2021/05/24お知らせ研究論文・研究成果

電磁波過敏症の治療や認知症の発症予防に朗報!
FPP(パパイヤ発酵食品)を用いた治療法が米国特許を取得

2021年54日、FPP (パパイヤ発酵食品)を用いた電磁波過敏症の治療法が、米国特許商標庁に特許登録(特許番号US10,993,980 B2)されました。

本特許は、フランス、パリ大学のドミニク・ベルポン教授(Prof. Dominique Belpomme)による「電磁波過敏症」を自己申告している患者を対象にしたFPPの臨床研究1)に基づくもので、問診、血液検査、超音波脳内脈流断層撮影(UCTS)によって解析を実施、電磁波過敏症に対するFPP摂取後の有効性が評価されました。

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Functional Foods in Health and Diseaseに掲載された
ベルポン教授の論文

1)電磁波過敏症を自己申告している患者の治療に対するFPPの有益効果:脳脈動測定および酸化ストレス分析に特に関連したフェーズⅠ-Ⅱ臨床試験結果
https://www.ori-japan.com/research/bodyregion/cat12/post-2.html

■特許取得の背景
スマートフォン、パソコン、Wi-Fi、電子レンジや洗濯機などの電化製品といった様々な電磁波を発する機器に囲まれ生活をしている現代人。電磁波過敏症は、身の回りにある微弱な電磁波を浴びることにより身体が過敏に反応して、頭痛、耳鳴り、疲労、集中力の低下、不眠などの不調を生じる症状をいいます。症状は個人により異なるうえ、重症度には幅があり、影響を受ける方の中には日常生活に支障をきたすこともあります。

電磁波過敏症の症状と電磁界暴露との因果関係は、現時点では科学的に立証することが難しく、特定の物質で対応する従来の医学的なアプローチのみでは限界があります。一方で、症状は確かに存在しており、また、電磁波過敏症を自己申告している患者の多くに酸化ストレス、炎症、自己免疫応答が認められることから、複合的な症状に苦しむ方のためにも診断・治療法の確立が必要とされています。そこで、電磁波過敏症研究の第一人者であるベルポン教授によるFPPの臨床試験では、電磁波過敏症の症状を認める患者の脳に与える影響を科学的に検証し、FPPが認知機能の改善と不眠・疲労を軽減することを明らかにしました。

■FPPの可能性
スウェーデンなどの欧米諸国では、電磁波は人体に影響があるものと認識され、日本よりも厳しい安全基準や規制が設けられています。また、コロナ禍のライフスタイルの変化により、テレワークによる在宅勤務やオンライン授業などに加え、外出自粛の長期化に伴い動画鑑賞やオンラインゲームの利用など様々な場面でスマートフォンやパソコンを利用する時間が増加し、電磁波過敏症など健康障害の顕在化が懸念されています。

このような状況下で、従来の医学的アプローチである特定の症状のみを緩和する治療薬や治療法等では解決できない電磁波過敏症を、治療あるいは予防するための食品としてFPPを提供できることが本特許により認められたことは、電磁波による不定愁訴に苦しむ方々にとって朗報となるでしょう。ベルポン教授によるFPPの臨床研究では、短期記憶の喪失、集中力・注意力低下といった認知機能に加え不眠症や疲労に顕著な改善を認めました。また、血液検査や超音波脳内脈流断層撮影(UCTS)による側頭葉における脈動指数の測定から認知機能障害発症の一因となる脳内の血液量低下も回復することから、電磁波過敏症だけではなく認知症予防の可能性も期待されます。

大里研究所では、これからさらに増えるであろう電磁波過敏症や化学物質過敏症などの環境因子に起因する"環境病"の治療法確立の一助となればと願い、FPPの臨床的改善のメカニズムの解明を進めるとともに、高齢化社会における認知症予防に向けた研究に一層注力していきたいと考えています。