研究論文

機能性食品であるパパイヤ発酵食品の適用性と生物的有効性について

FILE2010

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Applications and bioefficacy of the functional food supplement fermented papaya preparation

Toxicology. 278(1):6-16,2010

パパイヤ発酵食品(FPP)は、Carica papaya Linnを発酵させた栄養補助食品である。FPPは、これまで血液疾患(サラセミア)、肝硬変、糖尿病、加齢などによる慢性疾患および変性疾患に加えて、パフォーマンス向上が求められるスポーツに関する研究を行なっており、免疫学的、血液学的、炎症性、血管および酸化ストレスによる損傷を制御し改善することを明らかにした。アルツハイマー病の細胞モデルを用いた神経保護の研究では、FPPによりβ-アミロイドの毒性が顕著に低減することが示された。また、酸化ストレスは、c-jun N末端キナーゼ(JNK)やp38マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)などのアポトーシス経路を誘導するが、これらの経路は、炎症性サイトカインや酸化ストレスにより増悪し細胞分化とアポトーシスに繋がる。FPPは、H2O2誘導性アポトーシス経路であるERK、Akt、およびp38の活性化を制御し、p38リン酸化の減少を示した。また、FPPは、H2O2によるDNA損傷を軽減した。この結果は、ベンゾ[a]ピレンにより誘発されるDNA損傷においても同様の効果が得られた。FPPをヒト肝癌由来細胞(HepG2)と培養した実験では、遺伝毒性は見られず、神経擬似細胞(PC12)に対しても毒性は認められなかった。酸化ストレスによる細胞の損傷と炎症は、様々ながん、糖尿病、関節炎、心血管機能障害、神経変性疾患(脳卒中、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、運動生理学 (スポーツ競技など)や加齢に関与する。そのため、これらの状態において、抗炎症作用・抗酸化作用・免疫応答(粘膜レベル)および抗酸化酵素の誘導を有するパパイヤ発酵食品などの機能性栄養補助食品による有効性が考えられる。

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