研究論文

潜在性甲状腺機能低下症の治療における隠れた酸化ストレスの症状に対する保護効果を持つ栄養補助食品による介入

THE HIDDEN PHENOMENON OF OXIDATIVE STRESS DURING TREATMENT OF SUBCLINICAL-MILD HYPOTHYROIDISM: A PROTECTIVE NUTRACEUTICAL INTERVENTION

Rejuvenation Res. 17(2):180-183,2014

フルペーパーのダウンロードはこちら

甲状腺ホルモンは酸化還元バランスの恒常性制御に関係することが知られている。
実際に、甲状腺機能障害では過酸化脂質が増加し、自己触媒的に細胞膜の酸化損傷が引き起こされる。その際、細胞死や有毒かつ反応性アルデヒド代謝物の生成が起こるが、最も重要なのはマロンジアルデヒド(MDA)である。さらに、甲状腺機能低下症による代謝低下は、酸化物の産生を減少させると言われており、理論的には酸化損傷から組織を保護するはずだが、実際は逆であり、臨床的にエビデンスが示すように、甲状腺機能低下症の患者はアテローム性動脈硬化症を発症するリスクが増加し、潜在性甲状腺機能低下症(SH)も、試験的にも臨床的にも心血管の老化や病気のリスク因子と考えられている。甲状腺機能低下の状態と酸化ストレスの増加の関連を示すいくつかのデータもある。このことは、これらの患者がしばしば経験する不快感や活動量の減少の理由のひとつかもしれない。そこで本研究の目的は、抗酸化物質による治療介入の可能性を考え、実験、臨床試験で有効なレドックスを調整する特性を持つと示されたFPP(Immun-Age®、発酵パパイヤをベースにした栄養補助食品)をSHか軽症の甲状腺機能低下症(MH)の治療に伴い、臨床症状のスコア、酸化ストレス、脂質状態、甲状腺制御に関連する遺伝子発現などの観点から、FPPのレドックスバランスの調整機能を試験することである。

被験者は、経口避妊薬や大豆のサプリメントを常用していない18-55歳の概して健康な女性60人で、全員甲状腺機能低下症(SHまたはMH)を示し、亜鉛、セレンおよび銅が正常値であることを事前に確認した。主な慢性病、関連する薬物治療、深刻な脂質異常症、激しい身体活動および精神疾患は除外基準とした。患者は2週間のウォッシュアウト期間を経て、年齢、通常の生化学状態、食事のプロフィール、甲状腺の状態が釣り合うように2つのグループ(各々30人)に分割された。両方のグループは、甲状腺機能低下症に対し同様の医学的治療を受けた。1つのグループは、3か月間1日2回1包3gのFPPが与えられ、他方のグループは偽薬として風味をつけた砂糖を与えられた。正常な甲状線機能を持つグループを健康なコントロール(HC)とした。

食事のアンケート・データによれば、食事から摂取される主な微量元素およびビタミンの減少は見られず、脂質プロフィールおよび甲状腺ホルモンパラメーターに対しFPPの摂取による変化および影響は見られなかった。HCと比較して、MH被験者においては、すべての酸化マーカーの顕著な増加が観察された(p<0.05)が、SHにおいては観察されなかった。T4の治療により、MHにおいて一層増加し(p<0.05 (p<0.05 vs baseline) baseline)、SH被験者においても著しく増加した。プラセボは効果がなかった一方で、FPPを摂取したすべての被験者においてレドックスマーカーの顕著な正常化が示された (p<0.01)。ベースラインの症状スコアと比較して、FPPによる治療で有意な改善傾向は示されなかった。しかしながら、エントリー時に症状が生活の質に影響していると答えたのは、プラセボ摂取群の中の6人(20%)、FPP摂取群の中の8人(27%)の被験者だけだった。人数が少ないため深い分析はできないが、興味深いことに、FPP摂取群の中で、長期にわたる胃の不快感があり、T4に関連してしばしばT3の投薬を減らす必要があった3人の被験者全員が症状の全快を報告した。THSは、有意なTRα-1 mRNAの下方修正を示したが(p<0.01 vs baseline)、TRβ-1 遺伝子は下方修正されず、このパターンはFPPに影響されなかった。

確かに、人間では、甲状腺機能亢進症は、チオール値の低下に伴う共役ジエン、H2O2および脂質ヒドロペルオキシドの増加といった、レドックスバランスの著しい変化に特徴づけられる。しかしながら、文献データおよび我々の現在のデータは、正常なTHS下では、予期されたTRおよびレドックス遺伝子の上方修正が起こる間に抗酸化能の低下が十分に補われない場合にSHとMHのいずれの甲状腺機能低下症でもこのような酸化促進状態が酸化ストレス生成を増加させることを示している。FPPは甲状腺ホルモンに引き起こされた酸化ストレスを打ち消すことができるだけでなく、生理学的に主要なホルモンに関連する受容体を損なわないように見える。これらの発見は、THSの際のレドックスのアンバランスを和らげるためのビタミンCの失敗を考慮すれば、FPPによる治療が長期にわたるTHS治療に伴う妥当な統合的治療となり得ることを示すものである。これらの代謝経路のより一層の複雑さを考慮し、レドックス遺伝子および他の転写因子の抑制の研究が進行中である。

RR_Fig1A.gifRR_Fig1Acaptions.gif

RR_Fig1B.gifRR_Fig1Bcaptions.gif

関連論文一覧

年号

論文名